企画展「わたしは思い出す 10年間の子育てからさぐる震災のかたち」

【会期を7/11(日)まで延長いたします】

 

仙台在住のかおりさん(仮名)は、初めての出産を経験した10年前から育児日記をつけ始めました。本展は、その再読をとおして彼女が思い出した“はれたりくもったり”な日々をたどり直すものです。

 

今もこの街のどこかで暮らすひとりの人間の誰にも語られるはずのなかった言葉に触れるとき、彼女と異なるひとりの時間が彼女と同じように流れていたことを、あなたは思い出します。

 

 

*企画展に先駆けて、震災の前後に生まれた子どもの育児者を対象に、この10年を振り返るワークショップを実施しました。その参加者の一人がかおりさんでした。

 

*かおりさんは出産後の日々を綴っていました。それを知った私たちは彼女の記録と記憶を巡る展示を着想し、かおりさんはその提案を受け入れてくれました。

 

*ここで紹介する文章は育児日記の再読から引き出されたかおりさんの語りを、企画者が書き起こし、編集したものです。振り返り作業は会期をつうじて実施され、展示される文章も段階的に増えていきます。

 

 

企画 ‖ AHA![Archive for Human Activities / 人類の営みのためのアーカイブ]

広報・会場グラフィックデザイン ‖ 尾中俊介(Calamari Inc.)

会場構成 ‖ 佐々瞬

 


 

【関連企画】

トークイベント|企画者に聞く

3月13日[土] 14:00-15:30

定員20名|要申し込み|参加費無料

なぜ、育児日記なのか。他人に届けるはずのなかった言葉をたよりに、あなたのものではない声に触れること、わたしの声を留め置いておくことの意味を、本展の企画者を迎えて考えます。

 

ワークショップ|子どもに聞く

3月14日[日] 14:00-15:30(インタビューのためのガイダンス)

6月13日[日]14:00-15:30(振り返り)

定員5名|両日参加が必要|要申し込み|参加費無料

子どもの言動はときに育児者を成長させます。あなたが忘れてしまう前に、混沌と驚きに満ちた小さな声を記録に残しておきませんか。子どもの今を聞き、言葉として残す、あなただけの記憶の継承の試みです。

*3-10歳頃の子どもの育児に関わっている方を対象とします。

*インタビューの内容を無断で公開することはありません。

 

 

【トークイベント/ワークショップのお申込みについて】

・募集期間‖2021年2月6日[土]-3月12日[金](10:00-17:00/定員になり次第、受付終了)

・応募方法‖下記、メールまたは電話にてお申し込みください。

Mail / office@sendai311-memorial.jp

TEL / 022-390-9022

・十分な感染症対策を講じた上で実施します。マスク着用、アルコール消毒、検温にご協力ください。

 

【トーカー/ワークショップ進行|松本篤(本展企画者)】

AHA![Archive for Human Activities / 人類の営みのためのアーカイブ]の世話人。AHA!とは、8ミリフィルム、家族アルバム、戦時中の慰問文など、さまざまな「市井の人びとの記録」に着目したメディアづくりの活動。NPO法人記録と表現とメディアのための組織(remo)を母体に2005年に大阪で始動。

 

本展は、東日本大震災の記録を伝える手法を「思索」し、さまざまな角度からその継承を「試作」する、ひとつの「施策」として位置付けられた《継承のしさく》シリーズの一環として実施されます。多様な表現活動における、ある種の「詩作」を媒介とした継承のあり方を探究します。