あの日から海辺と歩いた10年|荒井駅から青葉山への軌跡

 

せんだい3.11メモリアル交流館/地下鉄東西線開業 10周年企画

 

あの日から海辺と歩いた10年|荒井駅から青葉山への軌跡

 


震災から5年が経つ頃、

海のそばにできたメモ館(せんだい3.11メモリアル交流館)。

同じ年、地下鉄東西線が仙台の海と山をつなぎました。

あれから10年。

メモ館は、傷を受けた地域と、そこに暮らすひとびとと、

「ここで生きること」を考え、伝え続けてきました。

 

そして震災から20年が経つ頃、

青葉山エリアに全国初の災害文化の創造拠点が誕生する予定です。

 

あの日から時を積み重ね、地下鉄東西線で結ばれる2つのメモリアル拠点。

メモ館が歩いた10年を振り返りながら、今あらためて、荒井駅から青葉山を望みます。


■展示内容

せんだい3.11メモリアル交流館の10年間の取り組みを、地下鉄東西線との関わりや復旧・復興事業の歩みとともに振り返り、青葉山エリアに新しく整備予定のメモリアル拠点についても紹介します。

 

■展示期間

2025年12月6日(土)~2026年2月15日(日)

 

■展示場所

せんだい3.11メモリアル交流館 2F展示室

 

■開館時間

10:00~17:00

12月11日(木)、1月11日(日)、2月11日(水)は19:00まで開館

 

■休館日

毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土・日曜日、祝日を除く)、年末年始(12月29日~1月4日)

 

■入館無料

 

チラシPDF


荒井駅から青葉山を望む

 

2016年、オープンしたばかりのメモ館=荒井駅の屋上で「始発と終点の駅がお互いに見える路線って他にあるのかな」と考えながら青葉山の方を眺めていました。

 

3.11で津波被害を受けた沿岸部と、津波は来なくても土砂災害に見舞われた山手の地域。仙台の海と山とを一本で結ぶ地下鉄東西線は、東日本大震災のときには既に工事が進み、荒井駅の駅舎も出来上がっていました。

仙台平野の広い空、海岸沿いへ続く美しい田んぼ。豊かな東部地域の風景を通して仙台の明るい未来を描き出すべく誕生した駅舎は、震災を経て新たな使命を帯びました。

 

傷ついた沿岸地域の入り口に誕生したメモ館。この施設はどうあるべきなのか。

住み慣れた土地で被災された方と遠方からのお客様、両方の声を聞き、発するメッセージの答えはいつも「ひとつではない」と噛み締めながら、メモ館はさまざまな事業を行なってきました。

 

主催する企画展のほかにも、この土地に関わる人の無数の想いや声が活動となって展開されてきました。その中には、被災者が被災者を支援するような、被災者が支援者を支援するような、あるいは被災地だからこそ成立するような、これまでの言葉では説明がつかないものがたくさんあります。そういう、名前のつかない真実の活動が折り重なって踏み固めた地盤から、文化が生まれていくんじゃないのかな。そんな風に思いながら「場」や「機会」を設け、時を積み重ねてきました。

 

10年の間に、メモ館も、周りの風景も、関わる人も少しずつ変化してきました。そして今、あの日、屋上から見ていた青葉山に新しいメモリアル拠点が整備されようとしています。

メモ館が紡いできた見えない糸が海から山へとつながり、仙台の文化がより深く、豊かなものになるように。メモ館の10年を、ここに記しておきたいと思います。

 

八巻寿文
[せんだい3.11メモリアル交流館 初代館長]


【展示関連企画】

 

1[ツアー] 山から海へ!新春ショートトリップ ~地下鉄東西線で西から東へ“一人旅”

「夏色ドロップス」人気企画の東西線一人旅。メモ館で白い凧に思い思いの絵を描いて、いざ深沼海岸へ! 砂浜を駆け巡り、新春凧あげを楽しみます。

日時:2026年1月18日(日)9:30〜15:00
集合・解散場所:地下鉄東西線 八木山動物公園駅
定員:6才〜12才のこども(主に小学生)15名程度(先着)
※メモリアル交流館スタッフが全行程に同行します
参加費:500円(凧代・保険代)と地下鉄・海手線ループバス運賃(お弁当持参)
協力:仙台凧の会、若林元気隊

 

2[お話し会] 荒井に立って青葉山を見る

震災からの15年、沿岸部ではさまざまな方が想いを込めて活動をされてきました。これまでのお話をお聞きしながら、新しくできる施設に何をつなげられるか考えてみます。

日時:2026年1月25日(日)13:30〜16:30(終了後にミニお茶会を開催)
定員: 沿岸部で活動されている方やお話をきいてみたい方 20名程度(先着)
参加費:無料

協力:studio-L、八巻寿文さん(国境なき劇団)

 

3[講座] 「仙台誕生」からの災害とまちづくり

伊達政宗がこの土地を「仙台」と名付け、まちづくりが始まって約400年。江戸時代から今につながる災害とまちづくりについて紐解きます。

日時:2026年2月7日(土)13:30〜15:00

定員:30名程度(先着)
講師:佐藤大介さん(東北大学災害科学国際研究所 准教授)

参加費:無料

 

4[パンと小噺] あらいのテーブル

おいしいパンを食べながら、荒井駅のまわりで働く・暮らすゲストのお話を聞き、おしゃべりを楽しむ、夜のひとときです。

日時:2026年2月11日(水・祝)18:15〜19:15
定員:15名程度(先着)

参加費:1,000円(季節のパンと飲み物代)
共催:あらいフェローズ

協力:THE BREAD BAR、一般社団法人荒井タウンマネジメント

 

5[公開制作] 仙台沿岸イラストマップ 思い出をさらに、さらに重ねて
沿岸部の思い出や活動を描いた「仙台沿岸イラストマップ」。10年の間に生まれた新しい場所や活動、思い出を描き加えます。

日時:2026年2月15日(日)13:00〜15:00
制作:佐藤ジュンコさん(イラストレーター)

参加費:無料

申し込み:不要

 

※1のツアー以外は 会場:せんだい3.11メモリアル交流館
※いずれも2026年1月6日(火)10:00より受付開始

[申込み先]TEL: 022-390-9022
※メモリアル交流館HP内にある応募フォームからも申込できます(現在準備中)
※くわしくは各イベントのページをご覧ください(現在準備中)


企画構成:谷津智里(Bottoms)

企画協力:八巻寿文

デザイン:桑原大輝(JIG)

製作:合同会社ターンアラウンド


 

 

開催中