髙橋親夫写真展 それからの浜辺
あの大震災から主に 11~12年を経た仙台市荒浜の海岸である。
この歳月は深く傷ついたこの土地を癒してきた。
新しい高い防潮堤が延々と続いている。
その西側の砂浜には失われた松の防潮林のあとに植えられた黒松の苗が成長し、木柵を覆っている。海辺の植物の再生が広がっている。
上空では鳥が鳴き、浜辺では釣り人やサーファーたちが海を楽しんでいる。
潮風が海辺を歩く人たちにそよぎ、潮の匂いと繰り返す波の音が心を和ませる。
一帯は既に新たな多くの生物たちのすみかとなっている。
震災以前の風景は過去となり、目の前のこの風景が以前からの風景として続いてきたかのように錯覚してしまうほどだ。
しかしここで暮らしていた人々にとっては、未だ過去になってはいない。
あの震災後、間もなくこの地を訪れた時に抱いた人間の無力感と、私たちは大自然の限りなく大きな営みの中にいるということを私は思い出していた。(2022~2023年撮影)
■日時
2025年1月8日(水)~2月11日(火・祝) 10:00~17:00
入場無料 月曜休館
※ただし1月14日(火)は祝日翌日のため休館
■会場
せんだい3.11メモリアル交流館 3F展望ギャラリー
[チラシPDF]
「それからの浜辺」は、髙橋親夫さんが2022年から2023年にかけて仙台市若林区荒浜で撮影した写真を主に構成した展示です。
●髙橋親夫_たかはしちかお
1947年、仙台市宮城野区高砂に生まれる。
1974年、1級建築士取得。
1984年より地域の風景の記録写真を撮り始める。
2015年、京都造形芸術大学通信教育部写真コース卒業、「3がつ11にちをわすれないためにセンター」活動参加。
〇写真集
『あの日につづく時間― 2011.3.11』 2015年 冬青社
〇個展
2017年 「タイル・ルート・トタン」 せんだいメディアテーク
「神々のハマドオリ」 SARP
2018年 「マテリアル」 SARP
2019年 「数は語る」 SARP
2020年 「地上を移動する目・上空からの視線」 SARP
2021年 「ここにいた時は子供だった」 SARP
2022年 「ものが語る土地」 SARP
2023年 「双葉ふたたび」 SARP
2024年 「普通という風景」 せんだいメディアテーク など。
〇グループ展・企画展など
2021年 「浪江のきた道・ゆく道」 せんだいメディアテーク「星空と路」
2022年 「ここにいた時は子供だった」 せんだいメディアテーク「星空と路」
2023年 「地図に記された風景」 せんだいメディアテーク「星空と路」
【主催】
髙橋親夫
【企画協力】
せんだい3.11メモリアル交流館
仙台市若林区荒井字沓形85-4(地下鉄東西線荒井駅舎内)
[TEL]022-390-9022